今回はLaTeX文書で参考文献を作成する方法としてthebibography環境を利用する方法とBiBTeXを利用する方法について紹介したい。
1. 参考文献一覧
参考文献一覧は論文などの文末に引用した資料の番号付きの一覧を表示し、文中で引用箇所がわかるようにする。
参考文献一覧を表示するにはthebibliography
環境を使用し以下のような書式で作成する。
\begin{thebibliography}{文献数} \bibitem{ID} 参考文献の名前・著者1 \bibitem{ID2} 参考文献の名前・著者2 \bibitem{IDN} 参考文献の名前・著者N \end{thebibliography}
文中での引用は\cite{ID}
を用いる。例と実行例を以下に示す。
参考文献\cite{latex1},参考文献\cite{latex2},参考文献\cite{latex3},参考文献\cite{latex4} \begin{thebibliography}{10} \bibitem{latex1} 奥村晴彦,黒木裕介\LaTeXe 美文書作成入門 第7版(技術評論社,2017) \bibitem{latex2} 吉永 徹美, 独習 \LaTeXe (翔泳社, 2008) \bibitem{latex3} 土屋 勝, LATEXはじめの一歩 (カットシステム,2018) \bibitem{latex4} 田口 善弘, インストールいらずのLATEX入門 (大学の物理教育 25(3),2019) \end{thebibliography}
書式は自由に設定できるので、引用の数が少ない場合(数十文献程度)はこの方法でもよい。
2. BibTeXを用いた参考文献一覧の出力
文献の数が多くなってきたり、共通に参照する参考文献がある場合はthebibliography
環境では管理が大変になってくる。そこでtexとは別ファイルのbibファイルの中に参照文献のリストを作成しておき、そこから参照すると便利である。なおTeXの参考文献データベースをBiBTeXと呼ぶ。手順としてはbibファイルを作成し、所定の書式で文献情報を記載し、TeXファイルのdocument
中で.bib
ファイルの指定し、IDにより参照する。
Cloud LaTeXの場合は、ファイルを追加するをクリックして、拡張子.bib
のファイル(bibtest.bib)を作成する。
3. bibファイルの記述
上で作成したbibファイルには、以下のような書式でリストに入れたい文献情報を記述する。各項目や必須情報はwikipedia:BibTeXなどを参照してほしいが、例えば本であれば@book
,論文であれば@article
を指定し、{}
内の最初に固有のIDを記述する。文献情報の記述は手入力でもよいが、文献データベース CiNii Articles - 日本の論文をさがす - 国立情報学研究所 などでは文献情報をBiBTeXで表示する機能があり、コピーアンドペーストで作成すると楽。(日本語の姓・名の順は入れ替えた)
@book{abramowitz, author = "Milton Abramowitz and Irene A. Stegun", title = "Handbook of Mathematical Functions with Formulas, Graphs, and Mathematical Tables", publisher = "Dover", year = 1964, address = "New York", edition = "ninth Dover printing, tenth GPO printing" } @book{jtexbook, author = "Donald E. Knuth", title = "改訂新版 {\TeX}ブック", publisher = "アスキー", isbn = "4-7561-0120-8", year = 1992, } @article{latex_intro, author="善弘,田口", title="『インストールいらずのLATEX入門』", journal="大学の物理教育", ISSN="1340-993X", publisher="一般社団法人 日本物理学会", year="2019", month="", volume="25", number="3", pages="147-148", URL="https://ci.nii.ac.jp/naid/130007761447/", DOI="10.11316/peu.25.3_147", }
4. bibファイルの参照
メインのTeXファイルのDocument中に参照するbibファイルを\bibliography{bibファイル名}
、また参考文献リストを出力方法を\bibliographystyle{style名}
により指定する。大まかには和文用としてはjplain
とjunsrt
がありjplain
はアルファベット順、junsrt
は引用順に番号を割り振る。参照方法は~\cite{ID}
を用いる。
\LaTeX の入門~\cite{latex_intro}がお勧め! 数学公式は~\cite{abramowitz}がお勧め! \TeX を参考書は~\cite{jtexbook}がお勧め! \bibliographystyle{junsrt} \bibliography{bibtest}
5. まとめ
今回はLaTeX文書で参考文献を作成する方法としてthebibography環境を利用する方法とBiBTeXを利用する方法について紹介した。