つれづれなる備忘録

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Texによる文書作成7 ~ 参照番号の作成

 今回はLaTeX文書の作成方法として文中の式、図、表などの参照番号を作成する方法について紹介したい。

1. 参照番号

 参照番号とは、例えば式(1)や図1などの番号のことでLaTeXでは各式や図表などに固有のラベル名をつけることで、参照番号を自動で生成することができる。 これは途中に式や図表を追加しても、全体の参照番号が自動で更新されるため、特に式や図表の数が多い場合は非常に便利な機能である。

2. 参照作成方法

 基本的には\label{種別:固有名}というコードを数式、図、表環境の中に記述する。種別は、例えば数式であればeq, 図であればfigとなる。固有名については自由につけることができる。作成した参照を文中で使用するには`\ref{種別:固有名}で参照することができる。 例として数式の参照を作成するには以下のように記述する。

\begin{equation}
  x^2 - 6x + 1 = 0
  \label{eq:1step}
\end{equation}

ここでは1stepを固有名としている。次に数式を他の文中で参照するには\ref{eq:1step}とする。\ref{eq:1step}は番号のみの表示となるので、実際には式( \ref{eq:1step} )のように番号を修飾する文や記号と合わせて用いるとよい。なお複数行の数式の場合は、以下のようにeqnarray環境下で数式の行ごとに\label{}を記述する。例えば

\begin{eqnarray}
  x + y & = & 5 \label{eq:21ndeq} \\ 
  2z + 5c & = & 2
   \label{eq:22ndeq}
\end{eqnarray}

3. 参照できるもの

参照できるものとして式、図、表の他に章・節、ページ、参考文献がある。参照するものによって種別やコマンドは以下のようになる

参照物 作成 参照
\label{eq:ID} \ref{eq:ID}
\label{fig:ID} \ref{fig:ID}
\label{tb:ID} \ref{tb:ID}
章・節 \label{sec:ID} \ref{sec:ID}
ページ \label{ID} \pageref{ID}
参考文献 \bibitem{ID} \cite{ID}

4. 使用例

 以下、一部分だが使用例のコードと実行例を以下に示す。

\section{節見出し1}
\label{sec:sec1}

インラインでの数式挿入例は$ f(x)=\sum_{n=0}^{\infty}\exp (x^2)/n $である。

番号付き数式環境は
\begin{equation}
  x^2 - 6x + 1 = 0
  \label{eq:1step}
\end{equation}

\begin{figure}[h]
 \centering
   \includegraphics[width=8cm]{figures/arcTo.png}

 \caption{Arcの作図}
 \label{fig:arc}
\end{figure}\ref{sec:sec1}は参照で示している。
図\ref{fig:arc}は参照で示している。
式(\ref{eq:1steq}), 式(\ref{eq:21ndeq}),式(\ref{eq:22ndeq})は参照で示している。
表\ref{tb:table}は参照で示している。
番号付き複数行の数式環境は
\begin{eqnarray}
  x + y & = & 5 \label{eq:21ndeq} \\ 
  2z + 5c & = & 2
   \label{eq:22ndeq}
\end{eqnarray}

以下に表の挿入

\begin{table}[htb]
\centering
 \caption{スペック比較:罫線なし}
  \begin{tabular}{lcrc}
    機種 & ディスプレイ & 値段 & CPUコア \\
    iphone12 pro & 6.1" & 106,800円 & A14 Bionic \\
    iphone12 & 6.1" & 85,800円 & A14 Bionic \\
    iphone12 mini & 5.4" & 74,800円 & A14 Bionic
  \end{tabular}
  \label{tb:table}
\end{table}

"参照番号の作成"
参照番号の作成

4. まとめ

 LaTeX文書の作成方法として文中の式、図、表などの参照番号を作成する方法について紹介した。数式、図表の数が少なければわざわざ参照を作成する必要性は低いが、数が多いと非常に便利なのでぜひ覚えておきたい。