TinkercadによるArduinoシミュレーション44 ~ ゼロクロス検出回路2
前回紹介したゼロクロス検出回路の別の方式として、今回はフォトカプラを用いたゼロクロス検出回路とTinkercadによるシミュレーションについて紹介したい 。
1. フォトカプラ―とは
フォトカプラ―(オプトカプラ―)は下の図のように発光素子(LED)と受光素子(フォトトランジスタ)で構成され、電気的に絶縁した状態で入力信号を出力側に伝達する素子である。入力側がON(ある程度の電圧がかかっている)のときLEDが発光し受光側のフォトトランジスタは導通状態になり、またOFFのときはLEDは発光しないので受光側のフォトトランジスタは不通状態になる。電気的に絶縁されているため、入力側の電気ノイズの影響が受けにくいことや機械式スイッチよりは耐久性があり、寿命が長いという特徴がある。
2. フォトカプラを用いたゼロクロス検出回路
Tinkercadではオプトカプラのモデルとして4N35が利用可能で、実際のデータシートはhttps://docs.rs-online.com/25c0/0900766b80dca9c8.pdfなどを参照。フォトカプラはLEDを用いるため接続したアノード・カソード電圧が逆にならないように、あらかじめダイオードなどで整流する必要がある。今回は交流電圧をブリッジダイオードで全波整流したものをフォトカプラのアノード、カソード部に接続している。(下図参照)。入力の交流電圧が全波整流され、順方向電圧以下ではLEDが発光せずフォトトランジスタは不通となり、Vcc電圧がそのまま出力され、LEDが発光している状態ではフォトトランジスタは導通し、Vcc電圧は降下する。
3. ゼロクロス検出回路のシミュレーション
以下上の回路図をTinkercad上でモデルにしたものを示す。Vccは直流電源で+4Vを供給する。交流電圧はファンクションジェネレータで発生させて50Hzの正弦波を振幅10V(±5V)を入力する。交流電圧を全波整流されたフォトカプラへの入力波形とフォトカプラの出力波形をオシロスコープでモニタできるようにしている。
ゼロクロス検出回路のシミュレーション実行例を下に示す。出力波形がピークの位置が0クロス(全波整流波形の0V付近)と考えられるが、波形がなまっていて0クロスの位置に不確かさがある。Tinkercadのファンクションジェネレータの設定上正弦波の場合±5Vまでしか印加できない関係で、LEDの一般的な順方向電圧2Vと比較して十分大きくないということが原因の一つと考えらえる。
4. まとめ
今回はゼロクロス検出回路の別の方式として、今回はフォトカプラを用いたゼロクロス検出回路とTinkercadによるシミュレーションについて紹介した。