TinkercadによるArduinoシミュレーション43 ~ ゼロクロス検出回路1
今回はゼロクロス検出、コンパレーターを用いたゼロクロス検出回路とTinkercadによるシミュレーションについて紹介したい 。
1. ゼロクロス検出とは
ゼロクロス検出とは交流電源などの交流電圧の0Vを検出することを示している。応用としてはコンセント電源(AC50/60Hz,100V)の0Vを検出して効率よくモーターなどを制御するためにゼロクロス検出回路が使われている。 最近ではゼロクロス検出用のICが発売され、白物家電の待機電力を低減する効果が期待されている。
2. ゼロクロス検出回路
ゼロクロス検出回路の構成方法としてフォトカプラを用いる方法とコンパレーターを用いる方法があるが、今回はコンパレーターを使用する方法について紹介する。 Tinkercadで使用できるコンパレーターはLM339でクアッドコンパレーターになっている。詳細はLM339 データシート、製品情報、サポート| TI.comを参照のこと。
LM339のピン配置含む回路図を下に示す。回路図はゼロクロス検出回路 - OKWAVEを参考にした。参照先にあるように、コンセント電源に使用するには問題があるが、回路構成が比較的単純なこととシミュレーションで動作を確認するという目的のため採用することにした。
今回はコンパレーターを1つしか使わないので、1IN+(7),1IN(-), OUT1(1), Vcc(3), GND(12)のみを使用する。1IN+に入力交流電圧、1IN-は参照として0V(GND)に接続する。
3. Tinkercadのモデル
上の回路図をTinkercadでモデルを作成したのが下図になる。交流電圧は関数ジェネレータを使用し、振幅20Vで5Hzの正弦波を設定した。またVccは電源から5Vを供給している。入力される交流電源とコンパレーターから出力される電圧の波形をモニタできるように、それぞれオシロスコープを配置している。
シミュレーションを実行した例を以下に示す。コンパレーターの入力部には20V振幅の半分の±5Vで5Hzの正弦波が入力されていることがわかる。出力は0-5Vで5Hzの矩形波が出力されている。
この0-5Vの矩形波は立上がりあるいは立下りの位置がゼロクロス検出点になっており、Arduinoなどで割り込み処理に使用することができる。
4. まとめ
今回はゼロクロス検出とコンパレーターを用いたゼロクロス検出回路およびTinkercadでのシミュレーションについて紹介した。