つれづれなる備忘録

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Texによる文書作成15 ~フォントの調整

 今回はLaTeXにおける文章のフォント調整の方法について紹介する。

1. フォントサイズ

フォントサイズは、それぞれのサイズをあらわす\tinyなどの専用のコマンドを用いる方法とフォントサイズを直接指定する\fontsize{フォントサイズ}{行間}を用いる方法がある。 それぞれのコマンドと実行結果を以下に示す。

\tiny{Tinyサイズ},\scriptsize{scriptサイズ},\footnotesize{footnotesizeサイズ},\small{smallサイズ},\normalsize{normalサイズ},\large{largeサイズ},\Large{Largeサイズ},\LARGE{LARGEサイズ},\huge{hugeサイズ},\Huge{Hugeサイズ}
\par
\fontsize{12pt}{12pt}\selectfont
サイズ直接指定:12pt 行送り:12pt

"フォントサイズ"
フォントサイズ

2. フォントスタイル

 フォントスタイルは\textrm{ローマン:roman}として専用のコマンドでフォントスタイルを指定できる。

\textrm{ローマン:roman},\textit{イタリック:italic}, \textbf{ボールド:bold}, \textsc{スモールキャピタル:small capital}, \textsf{サンセリフ:sanserif},\textsl{スラント:slant},\texttt{タイプライター:typewriter},\textmc{明朝:mincho}, \textgt{ゴシック:gothic}

"フォントスタイル"
フォントスタイル

3. 文字色

 文字色をつけるためにはプリアンブル領域で\usepackage{color}としてcolorパッケージをロードすることで\textcolor{色名}{文字}として指定する。さらにcolorパッケージの代わりに\usepackage{xcolor}としてxcolorパッケージをロードし、{\color[HTML]{CC9900} HTMLカラー}とするとHTMLカラーコードの色を指定することできる。

\textcolor{red}{Red}, \textcolor{green}{Green}, \textcolor{blue}{Blue},\textcolor{white}{White}, \textcolor{cyan}{Cyan}, \textcolor{magenta}{Magenta}, \textcolor{yellow}{Yellow}
HTMLカラーコードで色指定{\color[HTML]{CC9900} HTMLカラー}

"文字色"
文字色

4. カリグラフィ/花文字

 カリグラフィ・花文字はアルファベット版の書道で、数式モード中にフーリエ変換複素数などをあらわす際に使用する。数式モード中でmathcal{アルファベット文字}とするが書体は、プリアンブル領域で指定する。 デフォルトでは

\[
  \mathcal{ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ}
\]

とすると

"カリグラフィ:デフォルト"
カリグラフィ:デフォルト

例えばプリアンブル領域で\usepackage{mathptmx}とすると以下のような書体になる

"カリグラフィ:mathptmx"
"カリグラフィ:mathptmx"

同様にeucalでは

"カリグラフィ:eucal"
カリグラフィ:eucal

txfontsでは

"カリグラフィ:txfonts"
カリグラフィ:txfonts

なおカリグラフィのスタイルはパッケージで使用するため1種類のみで文中の変更はできない。

5. まとめ

今回はLaTeXにおける文章のフォント調整としてサイズ、スタイル、文字色、カリグラフィについて紹介した。