Texによる文書作成5 ~ 図の挿入
今回はLaTeX文書の作成方法として文中に図を挿入する方法について紹介したい。
1. 図の挿入方法
文中に図を挿入するにはfigure環境内にincludegraphicsコマンドにより図の挿入を指定する。以下がコマンド例になる。
\begin{figure} \centering \includegraphics{figures/arcTo.png} \caption{Arcの作図} \end{figure}
figure環境やincludegrahicsコマンドはgraphicxパッケージに含まれているため、を使用するには事前にプリアンブル領域に\usepackage[dvipdfmx]{graphicx}
としてロードしておくことが必要。
挿入する図のファイル名は相対パス、絶対パスなどで記述するがCloud LaTeXの場合はfiguresフォルダ内にアップロードしておけば、figures\ファイル名
とすればよい。
\centering
は図を中央に配置するコマンド、\caption{図のキャプション}
は図の番号とキャプションを表示する。前回作成した文書中に図を挿入する場合以下のようになる。
\section{節見出し1} インラインでの数式挿入例は$ f(x)=\sum_{n=0}^{\infty}\exp (x^2)/n $である。 番号付き数式環境は \begin{equation} x^2 - 6x + 1 = 0 \end{equation} \begin{figure} \centering \includegraphics{figures/arcTo.png} \caption{Arcの作図} \end{figure} % 以下省略
これを実行すると、下のように別のページに図が挿入されてしまう。
2. 図の調整
別のページに図が挿入されてしまった理由としてはLatex側で図の位置を自動調整にしているためである。そこで図の配置を指示するためにfigure環境に配置オプションを指定する。
\begin{figure}[h] \centering \includegraphics{figures/arcTo.png} \caption{Arcの作図} \end{figure}
hは記述した場所に図を表示するというオプションで、その他にtはページ上端、bはページ下端、pは図表用のページ作成を意味する。配置オプションは複数していすることができ[hbp]
とすると挿入する図のサイズにより記述した場所に表示するスペースがない場合は、ページ下端に表示、それでもだめな場合はページ作成となる。
以下実行すると最初の数式(1)の下に図が挿入されていることが確認できる。
図のサイズを調整するにはincludegraphics
コマンドにオプションを追加する。
\begin{figure}[h] \centering \includegraphics[width=10cm]{figures/arcTo.png} \caption{Arcの作図} \end{figure}
この場合は幅10cmで文中に図を挿入している。(以下参照)widthなどを指定する単位はcmの他にmmやin (inch)が使用可能。
図のサイズを調整するコマンドとしては高さを指定するheight
や縮小・拡大率を指定するscale
も使用可能。
3. まとめ
今回はLaTeX文書の作成方法として文中に図を挿入する方法について紹介した。LaTeXのコマンド自体は複雑ではないが、図の表示を実行するdviソフトウェアが正し設定されていないと図の表示がされないというトラブルが多く、その点はCloud LaTeXのような実行環境が整備されているものを用いると便利だ。