Texによる文書作成10 ~図に対して文章の回り込み
今回はLaTeX文書で図をまわりこむように文章を表示する方法について紹介したい。
1. wrapfig環境の利用
図に対して文章がまわりこませるには、部分的に図と文章を並列配置させるようにする。図と文章を並列に表示させるために、図のレイアウトとしてwrapfig環境を用いる。 wrapfig環境を利用するには、プリアンブル領域で
\usepackage{wrapfig}
としてパッケージをロードする。これでdocument中に
\begin{wrapfig} \end{wrapfig}
とすることでwrapfig環境を利用することができる。
2. 図と文章の並列表示
図と並列に表示する文章の前にwrapfig環境を以下の書式で記述する。
\begin{wrapfigure}{position}[overhang]{width} \centering \includegraphics[width=5cm]{figure.jpg} \caption{caption} \end{wrapfigure}
positionは図が文章の左側であればl
、右側であればr
を指定する。overhangは図が本文からはみ出る量を指定する。widthは図の部分の幅を指定する。
図の貼り付けやキャプションに関しては通常の図の挿入と同じコマンドになる。
3. まわり込みの例
図のまわりに文章を回り込ませる例を示す。以下はpositionをr
にすることで図が右、文章が左になるように回り込ませている。
図のまわりに文章をまわりこませるにはwrapfig環境を用いる。以下は図を右側、文章を左側に配置した例となる。 \begin{wrapfigure}{r}[0pt]{0.5\textwidth} \centering \includegraphics[width=8cm]{figures/arcTo.png} \caption{Arcの作図} \label{fig:arc} \end{wrapfigure} 章\ref{sec:sec1}は参照で示している。 図\ref{fig:arc}は参照で示している。 式(\ref{eq:1steq}), 式(\ref{eq:21ndeq}),式(\ref{eq:22ndeq})は参照で示している。 表\ref{tb:table}は参照で示している。 番号付き複数行の数式環境は \begin{eqnarray} x + y & = & 5 \label{eq:21ndeq} \\ 2z + 5c & = & 2 \label{eq:22ndeq} \end{eqnarray} 片方の数式のみ番号をつける場合は、つけない方の数式で\verb|\nonumber| \begin{eqnarray} x + y & = & 5 \nonumber \\ 2x + 5y & = & 2 \end{eqnarray}
以下は逆にpositionをl
にすることで図が左、文章が右になるように回り込ませている。
図のまわりに文章をまわりこませるにはwrapfig環境を用いる。以下は図を左側、文章を右側に配置した例となる。 \begin{wrapfigure}{l}[0pt]{0.5\textwidth} \centering \includegraphics[width=8cm]{figures/arcTo.png} \caption{Arcの作図} \label{fig:arc2} \end{wrapfigure} \LaTeX の入門~\cite{latex_intro}がお勧め! 数学公式は~\cite{abramowitz}がお勧め! \TeX を参考書は~\cite{jtexbook}がお勧め! 温度の単位はマクロで生成T=10\degC \par 微分記号dをローマン体に変更するマクロ\verb|\dfd| \begin{eqnarray} & &\frac{dx}{dt}\quad (italic) \\ & &\frac{\dfd x}{\dfd t}\quad (roman) \end{eqnarray}
4. まとめ
wrapfig環境を利用して図に対して文章がまわりこませることで、ページ数の節約になることがあり便利な機能である。