つれづれなる備忘録

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ねじの種類

 ちょっとした組立家具や収容棚を組み立てたり、電子基板の取り付けなどねじを使って取り付ける機会は日常生活から業務まで多々あると思う。今回はよく使うねじ(またはボルト)に関して種類や使用法についてまとめてみた。

1. ねじの部分分類

まずねじの形状としては頭部・頭部穴形状・軸・ねじ先(以下 wikipedia:ねじ の図)がある。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/40/Screw_%28bolt%29_04A-J.PNG

頭部形状

ねじ締結時のねじ頭飛び出し量が頭部形状によって異なる。ねじ飛び出しによる干渉を気にする場合は低頭などを選択する場合がある。(ねじの飛び出しを完全になくすには、雌ねじ側の部材の頭を隠す座繰り加工を行う必要がある)

  • キャップ:六角穴付きボルトによく用いられている。(皿などに六角穴があるものもある)

  • なべ:上面の角に丸みを付けた平頭

  • 皿:上面が平坦で、座面は円錐の形

  • 丸皿:上面に丸みを持った皿形

  • トラス:丸頭よりも大径で、背の低い形

  • バインド:径が大きく上面に丸みの付いた形。座面に窪みを設ける事もある。

  • 低頭/超低頭:「平頭」よりも薄く作ったもの。ねじ頭の飛び出しを気にする場合に用いる。

  • 六角:正六角柱形、スパナやアジャスタブルレンチ(モンキーレンチ)などを用いてまわすことができる。

  • なし:止めねじ、イモネジと呼ばれている。

形状については以下 wikipedia:ねじ参照

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/8/82/Screw_%28bolt%29_09A-J.PNG

頭部穴形状

 穴形状によってねじを締める工具の選択が変わってくる。

  • すりわり:一文字の溝である。マイナスドライバーの他にコインを用いてまわせるものもある。

  • 十字穴:プラスドライバーを使用してまわせる

  • プラスマイナス穴:十字穴の1つが長くなってすりわりと同じ形になり、プラスとマイナスの両方のドライバでまわせる

  • 六角穴:断面が正六角形の棒を差し込むための穴で、六角レンチを用いてまわせる。

  • 特殊形状:一般的なドライバ・六角レンチでまわせない形状で専用工具を必要とする。ユーザに開けられると機能が保証できない、作業者を限定したい、いたずら防止などの用途に用いる。 設計者のための いたずら防止ねじ解説 | NBK【鍋屋バイテック会社】

形状については以下 wikipedia:ねじ参照

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/8/83/Screw_%28bolt%29_11A-J.PNG/800px-Screw_%28bolt%29_11A-J.PNG

軸(ねじ部)

  • 全ねじ:止めねじの場合は基本的に全ねじになる。ねじ頭がある場合は、残る円筒部の全長に渡ってねじが切られている。

  • 半ねじ:ねじ頭を持ち、円筒部の一部にねじが切られている。ねじが切られていない部分は雌ねじに入らない(切られていない長さだけ浮く)ので注意が必要。

ねじ先

  • あら先、面取り先、平先、丸先、とがり先、全とがり先、棒先:雌ねじが切られている穴、ナットなどに取り付ける。特に指定がなければ面取り先を使用すれば十分

  • タッピンねじ先、木ねじ、ドリルねじ:取付先に雌ねじが切られていない場合や、雌ねじを切る加工用として用いられる

ねじ形状

 らせんのピッチ、高さ、形状は基本的には規格化されている。通常はメートルねじは使われることが多いが、海外からの輸入品だとインチねじやユニファイねじの場合がる。

  • メートルねじ:並目と細目があるが、通常は並目を使うことが多い。

  • インチねじ:主にアメリカで使われていて、ねじのピッチを インチ25.4mmについての山数で表している

  • ユニファイねじ:並目と細目があり、アメリカ・イギリス・カナダの3国が軍事上の必要から協定したできたねじ

形状については以下 wikipedia:ねじ参照

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/9/90/Screw_%28bolt%29_20A-J.PNG/320px-Screw_%28bolt%29_20A-J.PNG

材質

  • 金属:スチール、ステンレス、アルミなどがある。スチールが一般的で、表面処理により黒色にしたり金属光沢をもたせたものがある。腐食を気にするならばステンレス、重量を気にするならば金属の中で選ぶ場合はアルミとなる。

  • プラスチック(樹脂): POM/ポリカ/RENY/PTFE/PEEKなど。強度は金属に及ばないものの軽量性や絶縁性の観点では樹脂ねじを選択する。アクリル素材など透明なものには透明のポリカねじが見た目としては相性がよい。通常の樹脂は耐熱性が高くないが、価格は高いが耐熱性があるPEEKねじもある。

  • その他:セラミックス材料としてアルミナとジルコニアがある。価格は高いが医療・半導体燃料電池分野などで特殊な用途に使われる。

2. ねじの種類

 上のねじの部分分類を組み合わせて、実際のねじの種類についていくつか紹介する。なおメートルねじであればねじ径をM4,M5,M6などと指定して、ねじの長さについては取り扱っているメーカーによって異なるが指定の長さのものを選択することが多い。また材質・表面処理についても選択する。

六角穴付きボルト:頭部形状がキャップ、頭部穴形状が六角のねじで、組み立て家具や工作物など最も広く用いられている。

TRUSCO(トラスコ) 六角穴付ボルト ステンレス全ネジ M3×5 50本入 B44-0305

十字穴付きなべ小ねじ:頭部形状がなべ、頭部穴形状が十字のねじで、頭部が小さいので回路基板から一般的なDIYまで広く使われる。

オノカツ 十字穴付き なべ小ねじ ステンレス M3x12 180本入 【国産・JIS】【ナベ頭小ネジ】 120-00-0312

皿木ねじ:頭部形状が皿、頭部穴形状が十字、ねじ先が木ねじで、材木など柔らかい材用にねじ穴が切っていない場合にねじ止めするのに使われる

TRUSCO(トラスコ) 皿木ねじステンレス M5.1×75 10本入 B60-5175

なべ小ねじポリカ:頭部形状がなべ、頭部穴形状が十字、材質がポリカ樹脂のねじで、樹脂ねじとしてはよく見るタイプ。

ポリカ (+) ナベ小ねじ M2.6×10 (10本)

すべての組み合わせのねじが存在しているわけではないが、下のサイトに様々なねじの種類が掲載されている。

https://www.rakuten.ne.jp/gold/nejiya/chiebukuro/info_toubu.html#6kaku