つれづれなる備忘録

日々の発見をあるがままに綴る

USBインターフェース

1. USBインターフェースのまとめ

 機器を購入してもケーブルが同梱されていなかったり、また旧式のデバイスを使おうと思ったらケーブルが形状が合わなかったりという経験は誰しもあると思う。そこで、PC、周辺機器を接続する上で最も身近なのがUSBインターフェースについて備忘録としてまとめることにした。USBインターフェースはデータ転送と給電の他、給電用途をメインとするUSB給電規格がある。

2. 規格(データ転送)

  • USB 1.0 & 1.1: 12Mbps(Full-Speed:FS), 500mA(2.5W), 2000年代前半までのかなり古い機器になるので、あまり見かけない。

  • USB 2.0: 480Mbps(High-Speed:HS), 500mA(2.5W), 10年ぐらい前の機器だと搭載されている可能性が高い

  • USB 3.x: USB3.0,3.1,3.2の3種類の規格が存在する。後から出来た規格が前の規格を取り込んでいるが、規格発表と同時期に発売されている機器では取り込み前の規格で表記されている。

    • USB 3.0 : 5Gbps(SuperSpeed:SS), 900mA(4.5W),7,8年ぐらい前の少し古いPCでも標準的に装備。HDD転送等でも不満ない速度。
    • USB 3.1 Gen 1: USB3.0と同じ。
    • USB 3.1 Gen 2: 10Gbps(SuperSpeedPlus:SS+), 1000mA(5W),新しいPCにはたいてい装備されている
    • USB 3.2 Gen 1x1: USB3.0, USB3.1 Gen 1と同じ
    • USB 3.2 Gen 1x2: 10Gbps, USB 3.1 Gen 1のレーンを倍にして速度を上げている。(故にGen 1x2)ケーブル長にメリットがある。
    • USB 3.2 Gen 2x1: USB3.1 Gen 2と同じ
    • USB 3.2 Gen2x2: 20Gbps(SuperSpeedPlus:SS+), 1.5or3A(7.5or15W)
  • USB4 Gen 3x2: 40Gbps ,1.5or3A(7.5or15W),2019/9/3に仕様リリース。製品として搭載されるのは1,2年後か。

※電力は5V供給。2レーン使用するx2はコネクタがType-C

なお、最大伝送距離はUSB 2.0が5m, USB 3.2 Gen 1x1が3m, USB 3.2 Gen 2x1, USB 3.2 Gen 2x2は1mとなっている。(延長ケーブルもそれ以上の長さは販売されていない)

3. コネクタ形状

 大量のデータを扱う場合は転送レートは重要だが、たいていデータ転送だけできればよいというケースが多い。USBの規格が一致していなくてもデータ転送はできるが、コネクタ形状が合わないと接続ができないので注意する必要がある。

USB2.0までのコネクタ

  • Type-A:PCやUSBハブなど多くの機器に搭載されている。

  • Type-B:プリンタなど周辺機器に搭載されている。

  • Mini-A/Mini-B:デジタルカメラなど小型機器に搭載されている。miniABソケット(メス)はminiA,Bどちらのプラグにも接続できる。

  • Micro-A/Micro-B:携帯電話、スマートフォン等に搭載されている。microABソケット(メス)はmicroA,Bどちらのプラグにも接続できる。

USB3.0までのコネクタ

  • Type-A:USB2.0 Type AにUSB3.0の信号線が追加されている。青色になっていることが特徴。USB2.0のケーブルと互換性あり。

  • Type-B:USB2.0 Type Bの上にUSB3.0 Type Bの信号線が追加されている。USB3.0 Type Bのケーブル(プラグ)とUSB2.0 ソケット(メス)のみ差し込めない。互換性は知っておきたいUSB3.0まとめ (1/2) - EDN Japan参照

  • Micro-B: USB 2.0のMicro Bの横にUSB 3.0のMicro B端子をもつ構造。USB2.0 micro Bのケーブル(プラグ)は差し込めるがUSB 3.0 micro BケーブルとUSB2.0 micro Bのソケット(メス)は差し込めない

USB3.1までのコネクタ

  • Type-A: USB3.0 Type Aと同じ

  • Type-C: 2レーンによる転送速度向上、高い電力供給、表裏なしが特徴。スマートフォンはじめ様々な機器に今後搭載。転送速度はUSB3.1とは限らずUSB2.0 Typ-Cの組み合わせもある。

USB2.0のコネクタ、USB3.0 micro BとType-Cの形状を下に示す。(Wikipediaを参照)

USBコネクタ形状
USBコネクタ形状

USBの規格ごとにコネクタ形状がまとまられている初心者でも安心!USB規格や形状について〜種類・見分け方編〜 | 分かりやすく解説!HDD・SSD!!も参考になる。

4. 給電規格

 もともとデータ転送と同時にPC周辺機器の駆動電力を供給する規格だったが、スマートフォンの急速充電など従来よりも高い電力の給電に利用されるようになってきた。

  • USB Battery Charging Revision 1.2 (USB BC)
電圧(V) 電流(A) 電力(W)
5 0.5-1.5 2.5-7.5
  • USB Power Delivery Revision 1.0 (USB PD):供給電圧が5/12/20Vがあり電流は1.5/2/3/5Aの組合わせで以下のようにパワーが決まっている。
電圧(V) 電流(A) 電力(W)
5 2 10
12 1.5 18
12 3 36
12 5 60
20 3 60
20 5 100
  • USB Power Delivery Revision 3.0 (USB PD):出力する電力に対して、電圧と電流の目安を定めたパワールールという形になっている。最近の充電器はこちらのルールに基づいて設計されている。また充電中に電圧や電流を変更して、発熱を抑える工夫がされている。
電力(W) 5V 9V 15V 20V
0.5-15 0.1-3 - - -
15-27 3 1.7-3 - -
27-45 3(15W) 3(27W) 1.8-3 -
45-60 3(15W) 3(27W) 3(45W) 2.25-3
60-100 3(15W) 3(27W) 3(45W) 3-5

(表中の数値はアンペア数)

 USBを利用した給電なのでコネクタ形状を合わせる必要がある。スマートフォンではmicro B(USB2.0)やType-Cが多く使われている。(自分の手持ちのスマホでは、以前使っていたものではmicro Bだったが、最近買い替えたものはType-Cになっている。充電器は買い替えずmicro BとType-Cの変換プラグのみを購入して対応した) 高い電力の充電器を利用する場合、ケーブル自体が電流が対応しているか(Ex. 2.4A,3A,5Aなど)、充電されるスマートフォンなどの機器が電力量に対応しているか(合わない場合も充電自体はされるが低い電力に制限される)を確認する必要がある。スマートフォンの急速充電時の電力に関してはスマホの「急速充電」とは、対応充電器・ケーブル等の選び方とおすすめ製品 | アプリオを参照。また充電用のUSBケーブルは通信用の端子がない場合やショート(上の図でType-Aだと2,3端子)されていて、データ通信は行えない。

5. まとめ

 後の規格の方が先の規格との互換性をもたせるため、結果として種類の組み合わせが増えていっている。コネクタ形状に関してはType-Cに集約の方向であれば、今後はあまり気にする必要がなくなる。USB給電については、充電器、ケーブル、充電される側の組み合わせが合っていないと低い電力に制限されるので注意が必要。