つれづれなる備忘録

日々の発見をあるがままに綴る

Texによる数式表現4~ベクトル・行列

1. ベクトルの表現

 今回はベクトル・行列の表現を取り上げる。まずベクトルは

[tex:\vec{a}=(a_1,a_2,\cdots,a_n )^ t ]

\vec{a}=(a_1,a_2,\cdots,a_n )^ t

高校数学等では数値の上に矢印を付けてベクトルを表記する。この場合は\vecを用いる。

大学以後の数学、物理では太字で表現されることが多い。太字にするには\bfが一般的だが書体がローマン体になってしまうので、書体を統一するため要素の文字もローマン体にしておく。(他はイタリック) \bf{}だと以後の文字も太字に変換されるため、{\bf{}}として太字適用範囲を限定しておく。(コマンドが冗長になるのが欠点)

[tex:{\bf{a}} =({\rm{a_1}},{\rm{a_2}},\cdots,{\rm{a_n}} )^ t ]

{\bf{a}} =({\rm{a_1}},{\rm{a_2}},\cdots,{\rm{a_n}} )^ t

2. ベクトル演算

 ベクトル演算記号について紹介していく。太字表記だと冗長になるので矢印で表現する。 内積[tex: \vec{a}\cdot\vec{b}=\|a\|\|b\|\cos\theta ]

 \vec{a}\cdot\vec{b}=|a||b|\cos\theta

内積の記号はcdotを用いる。 外積含むベクトル3重積の公式は[tex:\vec{a}\times\vec{b}\times\vec{c}=(\vec{a}\cdot\vec{c})\vec{b}-(\vec{a}\cdot\vec{b})\vec{c} ]

\vec{a}\times\vec{b}\times\vec{c}=(\vec{a}\cdot\vec{c})\vec{b}-(\vec{a}\cdot\vec{b})\vec{c}

外積\timesを用いている。

垂直・水平を表す記号は[tex: \vec{a} \perp \vec{b}, \vec{a} \parallel \vec{b}]

 \vec{a} \perp \vec{b}, \vec{a} \parallel \vec{b}

垂直は\perp水平は\parallelを用いる。

3. 行列の表現

行列の表現するには、texではbegin{pmatrix}~\end{pmatrix}begin{array}~\end{array}{cc}などを使うが、今までのように単純に [tex: {\bf{A}}= \begin{pmatrix} a&b\\ c&d \end{pmatrix} ]とすると

 {\bf{A}}= \begin{pmatrix} a&b\ c&d \end{pmatrix}

となりうまくいかない。(はてなMarkdown記法のときの問題で、通常のTeXでは正しく表示される) 対策としてはてなブログでTex記法を使って行列を書く時の注意点 - 医療職からデータサイエンティストへでは、はてな記法で書く、画像に変換して挿入する、htmlタグである<pre>~</pre>で囲うの3通りが紹介されている。 そこで上のコマンドを<pre>で囲うと<pre>[tex: {\bf{A}}= \begin{pmatrix} a&b\\ c&d \end{pmatrix} ]</pre>

 {\bf{A}}= \begin{pmatrix} a &b\\ c&d \end{pmatrix}

一応行列の表示はできているが黒バックになるのと、表示サイズが小さくなっている。別のhtmlタグとして<div>~</div>で囲うと

 {\bf{A}}= \begin{pmatrix} a &b\\ c&d \end{pmatrix}

こちらはうまく表示できている。(もしかしたら、ブログデザインのhtmlによって挙動が違うかもしれない)

<div>[tex: {\bf{A}}=\begin{pmatrix} a_{11} & \cdots & a_{1n} \\ \vdots & \ddots & \vdots \\ a_{m1} & \cdots & a_{mn} \end{pmatrix} ]</div>

 {\bf{A}}=\begin{pmatrix} a_{11} & \cdots & a_{1n} \\ \vdots & \ddots & \vdots \\ a_{m1} & \cdots & a_{mn} \end{pmatrix}

横点列は\cdots,縦点列は\vdots,斜め点列は\ddotsを用いる。

これを応用して三角行列を表すには例えば下のようにする。

<div>[tex: {\bf{L}}=\begin{pmatrix} a_{11} & & & & \\ a_{21} & a_{22} & & \Huge{0} & \\ a_{31} & a_{32} & \ddots & & \\ \vdots & \vdots & \ddots & \ddots & \\ a_{m1} & a_{m2} &\cdots &a_{mn-1} & a_{mn} \end{pmatrix} ] </div>

 {\bf{L}}=\begin{pmatrix} 
a_{11} &   &   &   &  \\ 
a_{21} & a_{22} &   & \Huge{0} &  \\ 
a_{31} & a_{32} & \ddots &  & \\
\vdots & \vdots & \ddots & \ddots &  \\
a_{m1} & a_{m2} &\cdots &a_{mn-1} & a_{mn} \end{pmatrix}

行列の要素で0が入るところを空白にして、2行4列目だけ0を大きく表示させる\Huge{0}を用いている。 最後に行列の演算記号として対角和や行列式

[tex: \mathrm{Tr} A, \mathrm{det}A]

 \mathrm{Tr} A, \mathrm{det}A