今回はTexによる微分方程式の分類に関する数式表現方法について紹介したい。微分方程式を直接解く機会は実際には少ないが、基礎科学からエンジニアリングまで微分方程式を解くことで様々なシミュレーションや設計が可能になっている。
1. 常微分方程式と偏微分方程式
微分方程式に含まれる導関数の階数(微分の回数)によってn階微分方程式と呼ばれる。また連立している場合は連立n階微分方程式と呼ばれる。
次に常微分方程式は、1変数のみの導関数(微分)を含む通常の微分によって表せる微分方程式で
[tex: \displaystyle \frac{d}{dx}f(x)-f(x)=0]
などと表記できる。(1階常微分方程式) また、2階常微分方程式は
[tex: \displaystyle \frac{d^{2}}{dx^{2}}f(x)-2\frac{d}{dx}f(x)+f(x)=\sin (x)]
一方で偏微分方程式は微分に関する変数が複数ある偏微分を含む微分方程式で
[tex: \displaystyle \frac{\partial^{2}}{\partial x^{2}}f(x,y)+\frac{\partial^{2}}{\partial y^{2}}f(x,y)=k]
などと表記できる。
2. 線形微分方程式と非線形微分方程式
未知関数の1次式で表現できる微分方程式を線形微分方程式とよぶ。例えば
[tex: \displaystyle \left( \frac{d}{dx} + \alpha \right) f(x) = g(x) ]
2階線形微分方程式では
[tex: \displaystyle \left( \frac{d^{2}}{dx^{2}} + \beta \frac{d}{dx} + \alpha \right) f(x) = g(x) ]
あるいはベクトル、行列で表す1次式も含む。
[tex:\displaystyle \frac{d}{dx} {\bf{y}}(x) = {\bf{A}}(x) {\bf{y}}(x)+{\bf{b}}(x) ]
[tex: \displaystyle \left( \frac{d}{dx}f(x)\frac{d}{dx}\right) f(x)=g(x) ]
3. 斉次方程式と非斉次方程式
すべての項が未知関数かゼロであるような線形微分方程式を斉次方程式あるいは同次方程式とよぶ。例えば
[tex: \displaystyle \frac{d}{dx}f(x)+f(x)=0]
一方で非斉次方程式は、以下のように未知関数を含まずゼロ以外の項g(x)が存在する。g(x)は例えば定数であってもよい。
[tex: \displaystyle \frac{d}{dx}f(x)+f(x)=g(x)]
4. まとめ
今回はまず微分方程式の分類に関する数式表現方法について紹介した。今後微分方程式の解に関するTeXによる数式表現も取り上げる予定である。