Texによる数式表現8~論理記号
論理記号
今回は論理記号のTex数式表現について取り上げる。エンジニアリングではあまり使わないが、(純粋)数学ではよく見かける。大学の数学の授業とかでも、説明なしでいきなり使われたことがあり困った経験がある。(工学関係では使われたことはないが)
~ならば:⇒, →
[tex:\Rightarrow, \implies, \to]
通常は\Rightarrow
長めの記号であれば\implies
, シンプルには\to
を使う。論理記号としての意図はなくても、普通に使うこともあると思う。
等価、同値:⇔, ↔
[tex: \Leftrightarrow, \iff, \leftrightarrow]
\Leftrightarrow
長めの記号であれば\iff
, シンプルには\leftrightarrow
を使う。
否定:¬, ˜
[tex:\lnot A, \neg A, \tilde{A} ]
\lnot
または\neg
どちらも書体は同じ。
[tex: A\land B, A\wedge B, A\lor B, A\vee B]
論理積(AND)は\land
, \wedge
のどちらでもよく、論理和(OR)も\lor
,\vee
どちらでもよい。
排他的論理和XOR:⊕,⊻
[tex: A\oplus B, A\veebar B]
表記は異なるが、どちらの記号もXORを表す。
トートロジー,矛盾: ⊤,⊥
[tex:\top, \bot]
常に真となる論理式(例えばa→a)をトートロジーとよび、⊤で表す。また矛盾を表す記号は⊥となる。
存在記号: ∀, ∃
[tex: \forall n \in \mathbb{N} : n^ 2\geq n]
∀は"すべての"、"任意の"という意味で、上記は任意の自然数nはn2≥ nを満たすという意味になる。
[tex:\exists x\in \mathbb{R}: x^ 2=1]
∃は少なくとも1つは存在するという意味で、上記は少なくとも1つの実数xはx2=1を満たすという意味になる。
[tex:\exists! x \in \mathbb{R}: x^ 2=0]
∃!はただ1つ存在するという意味で、上記はただ1つの実数xがx2=0を満たすという意味になる。
定義記号:≔, ≡
[tex: A := B, A\equiv B]
:=はコマンドがないのでそのまま表記。
証明・帰結: ⊢, ⊨
[tex: A\rightarrow B \vdash \lnot B \rightarrow \lnot A]
X⊢YはXからYを証明するという意味で、上記はA→Bから、裏である¬B→¬Aを証明するという意味になる。
[tex: A\rightarrow B \vDash \lnot B \rightarrow \lnot A]
X⊨YはXが真であればYは必然であるという意味で、上記はA→Bが真であれば、¬B→¬A(裏)は必然であるという意味になる。
その他
[tex: \therefore A=B, \because A\equiv B]
∴ (故に)や∵(なぜならば)は数学、論理学に関わらず一般的に使われている。