今回はLaTeX文書の作成方法をCloud LaTeXのテンプレートベースでLaTeX文書の構造、タイトル作成方法について紹介をしていきたい。
1. LaTeX文書の基本構造
LaTeX(あるいはTeX)は、文書のフォーマット(用紙サイズ、フォントサイズ、段組みなど)やパッケージを指定するプリアンブルと文書本文を記述する領域に分かれる。本文は\begin{document}本文記述\end{document}
として記述する。本文には数式や図の挿入も含まれる。プリアンブルにはパッケージの読み込み、文書のフォーマットの他にタイトルの作成も含まれる。LaTeX文書として成立する最低限の記述としては以下のようになる。
\documentclass{jsarticle} \usepackage[dvipdfmx]{graphicx} \begin{document} ここに本文を挿入 \end{document}
プリアンブルに記述するものとしては文書クラスがあり\documentclass[option]{class}
で指定する。class
には和文の論文であればjarticle
またはjsarticle
を指定する。文書の形式と欧文/和文の組み合わせにより指定できるクラス名は以下のようになる。オプションについてはフォントサイズ(ex. 12pt)や用紙サイズ(ex. b4paper)などを指定することができる。
形式 | 欧文 | 和文 | 和文(新) |
---|---|---|---|
論文 | article | jarticle | jsarticle |
本 | book | jbook | jsbook |
報告書 | report | jreport | - |
次に図などの画像ファイルを挿入するには\usepackage[dvipdfmx]{graphicx}
としてグラフィックス用のパッケージを読み込む必要がある。プリアンブルの記述の後に\begin{document} 本文 \end{document}
として本文を作成する。
上のコードをコンパイルした結果、以下のように最低限の構成でのLaTeX文書が作成される。
2. タイトルの作成・導入
文書の上にタイトルを挿入する方法について紹介する。タイトルを作成するにはタイトル名、著者、日付をプリアンブルに記述する。
タイトル名は\title{タイトル名}
とする。通常の文字以外に\lLaTeX
や$~$
で数式を記述したり、\\
により改行してタイトルを2段にすることができる。
著者名は\author{著者名1 \and 著者名2}
で記述する。\and
を用いて複数の著者をあらわすこともできる。日付は\date{日付}
として、コンパイル時の日付は\today
、それ以外は2020年1月1日
のように記述する。(2020/1/1は解釈されない)また日付を入れない場合は\date{}
として{}
を空欄にする。(\date{}
を省略しても自動的に日付が入る)
タイトルを記述したら、本文中の先頭で\maketitle
とするとタイトルが作成される。以下タイトルの作成例のコードを下に示す。
\documentclass{jsarticle} \usepackage[dvipdfmx]{graphicx} \title{\LaTeX 数式文書入門 \\ $\displaystyle \sum_{k=0}^\infty x_k$の使い方} \author{atatat \and btbtbt \and ctctct} \date{\today} \begin{document} \maketitle 本文を挿入 \end{document}
上のコードを実行すると、下のようにタイトル付きのLaTeX文書が作成される。
タイトルを表紙ページにするには、\documentclass[titlepage]{jsarticle}
としてオプションにtitlepage
と入れるとタイトルのみの表紙ページが作成される。下図は上記コードの\documentclass{jsarticle}
を\documentclass[titlepage]{jsarticle}
に差し替えてコンパイルした結果で、タイトルのみの表紙ページと本文が作成されている。
3. まとめ
今回はLaTeX文書の構造についての説明とタイトルの作成方法について紹介した。