今回はLaTeXで外部ファイルを読み込んで編集する方法について紹介する。
1. 外部ファイル読み込み
外部ファイルの読み込みは特に長文のレポートや複数人で作業する場合は、例えば章ごとにTexファイルを作成して最後にメインTexファイルに結合する上で便利な機能になる。
外部のTeXファイルの読み込みのコマンドは
\input{ファイル名.tex}
とするだけでよい。なおファイル名は、TeX環境に応じて相対パス、絶対パスを追記する必要がある。以下Cloud LaTeXではメインのファイルと同じ場所にファイルを追加するのでファイル名だけで認識できる。
2. Cloud LaTeXでの使用例
Cloud LaTeXでは以下のように"+"ボタンを押してTeXファイルを追加する。ファイル追加はTeXファイルのみではないので、ファイル名に加えて.texの拡張子も入力する。以下の例ではfile1.tex
というファイル名にした。
メインのTeXファイル(main.tex)中に\input{file1.tex}
とするとfile1のTeXコードがそのまま挿入される。
% main.tex %省略 \begin{document} %省略 \begin{equation} \mathcal{Z}=x+iy \end{equation} %以下が外部ファイル(file1.tex) \input{file1.tex} \end{document}
%file1.tex \section{外部ファイルから入力} この文章は外部ファイルからの入力です。 \begin{equation} \int \sum_{n=0}^{\infty}f_{n} (x) dx= G(x) \end{equation}
以下上記コンパイルするとmainとfile1の中身がコンパイルされ、数式番号も正しく表示されていることが確認できる。
3. 外部ファイル読み込み応用例
基本的なフォーマットはmain.texで定義しておけば、外部ファイルを読み込んだときにmain.texに従ってレイアウトが配置される。
以下2段組レイアウトの文章に対して、
sec1.texとsec2.texにそれぞれ1章、2章の内容を記述して外部ファイルとし、2段組み、要約、参考文献をmain.texに記述すると、コード自体がすっきりする。
%省略 begin{document} \twocolumn[ \maketitle \begin{abstract} \ ここに概要を記述する。この文章は\LaTeX の機能と表示結果を表示する説明書です。概要は1コラム、本文は2コラムで書かれています。図の挿入については2コラムに収まるように表示サイズを調整していますが、表については2コラムのレイアウトに納まらないのでtable環境使用時にtable*とすることで1コラムで表示するようにしています。 \newline \end{abstract} ] \input{sec1.tex} \input{sec2.tex} \bibliographystyle{junsrt} \bibliography{bibtest}
コンパイル結果は直接main.texに記述する場合と同じになる。
4. まとめ
外部ファイル読み込みを利用することで、章ごとや基本レイアウトの記述ごとに編集できるので特に長文になる場合は便利である。