つれづれなる備忘録

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Texによる数式表現47~線形微分方程式の解法6

 Texによる数式表現方法として前回までばねや自由落下などに出てくる微分方程式の解法について紹介したが、今回は一般的な微分方程式の解法について紹介する。

1. 一般的な1階微分方程式の解法

一般的な非斉次の1階微分方程式

[tex:\displaystyle \frac{d f (x)}{d x}+P(x)f(x)=Q(x) ]

\displaystyle \frac{d f (x)}{d x}+P(x)f(x)=Q(x)

について考える。関数P(x),Q(x)は任意の関数でf(x)を求める問題となる。

2. 一般解の取得

一般解は

[tex:\displaystyle \frac{d f (x)}{d x}+P(x)f(x)=0) ]

\displaystyle \frac{d f (x)}{d x}+P(x)f(x)=0)

の解を求める。

この方程式は

[tex:\displaystyle \frac{d f (x)}{f(x)}=-P(x)dx ]

\displaystyle \frac{d f (x)}{f(x)}=-P(x)dx

と変形できるので、

atatat.hatenablog.com

と同じ要領で

\displaystyle f(x)=C\exp \left( -\int P(x)dx  \right)

3. 定数変化法

 次に特殊解を得るには、Q(x)が一般的な関数のため単純に解の関数の形が推定できない。そこで定数変化法と呼ばれる方法がある。 上で得られた一般解の定数の部分を関数C(x)として

[tex:\displaystyle w(x)=C(x)\exp \left( -\int P(x)dx  \right)=C(x)u(x) ]

\displaystyle w(x)=C(x)\exp \left( -\int P(x)dx  \right)=C(x)u(x)

という解を仮定して満たすべきC(x)を求める。w(x)ををもとの微分方程式に対して代入すると

[tex:\displaystyle \frac{dC(x)}{dx}u(x)+\frac{du(x)}{dx}C(x)+P(x)C(x)u(x)=Q(x)]

\displaystyle \frac{dC(x)}{dx}u(x)+\frac{du(x)}{dx}C(x)+P(x)C(x)u(x)=Q(x) (1)

ここでu(x)は一般解であるので

[tex:\displaystyle \frac{du(x)}{d x}+P(x)u(x)=0) ]

\displaystyle \frac{du(x)}{d x}+P(x)u(x)=0)

を満たし、両辺にC(x)を乗じると

[tex:\displaystyle \frac{du(x)}{d x}C(x)+P(x)C(x)u(x)=0 ]

\displaystyle \frac{du(x)}{d x}C(x)+P(x)C(x)u(x)=0

となることがわかり、(1)の2項と3項の和はゼロになるため

[tex:\displaystyle \frac{dC(x)}{dx}u(x)=Q(x)]

\displaystyle \frac{dC(x)}{dx}u(x)=Q(x)

結局C(x)は以下のように得られる。

[tex:\displaystyle C(x)=\int \frac{Q(x)}{u(x)} dx +C\_{0}]

\displaystyle C(x)=\int \frac{Q(x)}{u(x)} dx +C_{0}

ここでC0積分定数となる。

3. 一般的な1階微分方程式の解

定数変化法によって得られたC(x)からw(x)は以下のようになる。

\displaystyle w(x)=\exp \left( -\int P(x)dx \right) \left\{ \int Q(x) \exp \left(\int P(x)dx \right)dx +C_{0} \right\}

P(x)やQ(x)exp(∫P(x)dx )が積分可能であれば、システマティックに解を得ることができる。

4. まとめ

今回は非斉次1階線形微分の解と解法として定数変化法について紹介した。