Texによる数式表現49~連立線形微分方程式の解法
Texによる数式表現方法として今回は連立1階微分方程式の解法について紹介する。
1. 連立1階微分方程式
以下の連立1階微分方程式
<div> [tex:\displaystyle \begin{eqnarray} \frac{dy_{1}}{dx} &=& ay_{1}+by_{2} \\ \frac{dy_{2}}{dx} &=& cy_{1}+dy_{2} \end{eqnarray} ] </div>
上記連立微分方程式からy1,y2を求める方法について考えていく。
2. 変数消去法による連立1階微分方程式の解法
通常の連立方程式を解くのと同様に変数を消去する方法が考えられる。例えば第1式から
[tex:\displaystyle y\_{2}=\frac{1}{b} \frac{dy_{1}}{dx}-\frac{a}{b}y\_{1} ]
これを第2式に代入すると
[tex:\displaystyle \frac{1}{b} \frac{d^{2}y\_{1}}{dx^{2}}-\frac{a}{b}\frac{dy\_{1}}{dx}=cy\_{1}+ \frac{d}{b} \frac{dy_{1}}{dx}-\frac{ad}{b}y\_{1}]
これを整理すると以下の2階線形微分方程式になる。
[tex:\displaystyle \frac{d^{2}y\_{1}}{dx^{2}}-(a+d)\frac{dy\_{1}}{dx}+(ad-bc)y\_{1}=0]
この2階線形微分方程式の解は以下の通りy1=C exp(λ x)という解を仮定して、λを求める。
[tex:\displaystyle \lambda\_{1,2}=\frac{1}{2} \left( (a+d)\pm \sqrt{(a+d)^{2}-4(ad-bc) } \right) ]
y1の解は上記のλ1,2を用いて以下のようになる。
[tex:\displaystyle y\_{1}=C\_{1}\exp ( \lambda\_{1} x ) + C\_{2} \exp ( \lambda\_{2} x )]
y1が求まれば、連立1階微分方程式からただちにy2の解も求まる。
[tex:\displaystyle y\_{2}=D\_{1}\exp ( \lambda\_{1} x ) + D\_{2} \exp ( \lambda\_{2} x )]
微分や係数の演算により指数関数の係数については変わるが、指数関数自体は変わらないので表記簡略化のため指数関数の係数をD1,2とした。
3. 考察
単一の1階微分方程式では解は単調の指数関数だったが、連立1階微分方程式の場合は変形の途中で2階微分方程式になることから
<div> [tex:\displaystyle (a+d)^2{2} < 4(ad-bc) ] </div>
という条件下では振動解になるという違いがある。