つれづれなる備忘録

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SI組立単位2

1. 固有の名称を持つSI組立単位

 前回の7つのSI基本単位を組み合わせてできるSI組立単位を紹介した。今回はSI組立単位で表現できるが、固有の名称を持つ単位について紹介したいと思う。

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2. 固有の名称を持つSI組立単位

下の表は固有の名称を持つ単位とSI組立単位で表記した場合、さらに7つの基本単位のみで表記した場合を示している。 基本単位についてはそれぞれ長さ:L、質量:M、時間:t、電流:I、温度:T、物質量:mol、光度:ILと表記し、また変化量を表す場合はΔをつけて表記する(ex:ΔLは長さ・距離の変化量) その他はS:面積, dS:微小面積, a:加速度,\widehat{L}:円弧長

物理量 名称 SI組立単位 導出
角度(θ) rad 無次元 \theta = \widehat{L} / L
立体角(dω) sr 無次元 dω=dS/L2
周波数(f) Hz s-1 f=1/Tperiod
力(F) N m·kg/s2 F=M·a (運動方程式)
圧力(P) Pa N/m2 or kg/ms2 P=F/S
エネルギー(E) J N·m or kg·m2/s2 E=F·L
仕事率(PW) W J/s or m2kg/s3 PW=E/t
電荷(Q) C s·A q=I·t
電圧(Vc) V W/A or m2kg/s3·A V=RI2/I (オームの法則)
電気容量(C) F C/V or s4·A2/m2·kg C=Q/Vc
電気抵抗(R) Ω V/A or m2·kg/s3·A2 R=Vc/I(オームの法則)
コンダクタンス(G) S A/V or s3·A2/m2·kg G=I/Vc
磁束(Φ) Wb V·s or m2kg/s2·A ΔΦ∝VcΔt (電磁誘導)
磁束密度(B) T Wb/m2 or kg/s2·A B=Φ/S
インダクタンス(Li) H Wb/A or m2kg/s2·A2 Vc=LiΔI/Δt → Li=Vc·Δt/ΔI=Wb/A
セルシウス温度(Tc) °C K Tc=TK-273.15
光束(ΦL) lm cd·sr or cd ΦL=IL·dω
照度(EL) lx lm/m2 or cd/m2 ELL/S
放射能(Ra) Bq 1/s 1秒間当たりに崩壊する原子数
吸収線量(Ar) Gy J/kg or m2/s2 Ar=E/M
線量当量(H) Sv J/kg or m2/s2 H=Ar·線質係数(人体への影響を表す係数)

3. まとめ

 前回同様にSI組立単位は計算方法そのものを表しており、固有の単位名称と合わせて覚えておくとよい。