1. 電磁気に使われるCGS単位系
今回は電磁気に使われる単位系のうちCGS単位ガウス単位系(CGS-gauss)について紹介する。
2. CGSガウス単位
ガウス単位系では、電気に関する単位は静電系(CGS-ESU)、磁気に関する単位は静電系(CGS-EMU)を用いる。(過去2つの記事も参照)
ただし、静電単位の基本単位であるstatCはFr(フランクリン)になるが、定義はstatCと同じで名称だけが異なる。なお誘電率ε0=1, 透磁率μ0=1となる。 電気双極子モーメントの単位D(デバイ)は1D= 10-18 statC·cm (3.34 x 10-30 C·m)と定義される。極めて小さい単位で原子・分子の電気双極子モーメントのオーダーで使用される。例えば原子は素電荷がÅオーダーの距離で離れていると考えると1.6 x 10-19(C)·10-10(m)=1.6 x 10-29 (C·m) ≈ 5Dとなる。
以下にCGSガウス単位をSI単位と併記して下にまとめた。
物理量 | 名称(SI) | SI組立単位 | ガウス単位 | ガウス組立単位 |
---|---|---|---|---|
電荷 | C | s·A | Fr | - |
電流 | A | - | - | Fr/s |
電圧 | V | W/A | statV | - |
電場 | - | V/m | - | statV/cm |
電束密度 | - | C/m2 | - | Fr/cm2 |
電気双極子モーメント | - | C· m | D | Fr ·cm |
磁気モーメント | - | A· m2*1 | - | erg/G *2 |
磁束 | Wb | V·s | Mx | - |
磁束密度 | T | Wb/m2 | G | - |
磁界強さ | - | A/m | Oe | - |
電気抵抗 | Ω | V/A | - | s/cm |
電気抵抗率 | - | Ω·m | - | s |
静電容量 | F | C/V | - | cm |
インダクタンス | H | Wb/A | - | s2/cm |
固有単位が多く、逆に組立単位が少ないのですっきりしている印象。ただしSI単位との変換は組立単位でないと覚えにくい。
4. まとめ
今回は電磁気で使用されるCGS単位としてCGSガウス単位系(CGS-gauss)について紹介した。