Texによる数式表現54~基本的な微分公式の活用3
Texによる数式表現方法としていくつかの基本的な微分公式から三角関数の微分公式の導出について紹介する。
1. 基本的な三角関数の微分公式
三角関数の微分公式は最も使われる公式の一つだが、基本的には1つだけ覚えておけばあとは、三角関数の性質や合成関数の微分公式などから導出できる。ただし、頻繁に使うものは自然に覚えてしまう
sin関数の微分
[tex: \displaystyle ( \sin x )^{\prime} = \cos x ]
cos関数の微分
以下のようにcos関数をsin関数に置き換えて微分すれば導出できるが、頻度が高いので覚えてしまった方が早い
[tex: \displaystyle ( \cos x )^{\prime} = ( \sin (x+\pi /2) )^{\prime} = \cos (x+\pi/2) = - \sin x ]
2. 基本的な微分公式から導出
tan関数の微分
sin/cos関数と商の微分公式 (f'g-fg')/g2を利用すれば導出できる。
<div> [tex: \displaystyle \begin{eqnarray} ( \tan x )^{\prime} &=& ( \frac{\sin x}{\cos x} )^{\prime} = \frac{ (\sin x)^{\prime} \cos x - \sin x ( \cos x )^{\prime}}{\cos^{2} x} \\ &=& \frac{ \cos^{2} x + \sin^{2} x }{\cos^{2} x} = \frac{ 1 }{\cos^{2} x} \end{eqnarray}] </div>
結局
[tex: \displaystyle ( \tan x )^{\prime} = \frac{ 1 }{\cos^{2} x} = 1+\tan^{2} x ]
基本的にはそれぞれの関数の定義に従って、商の微分公式 -f'/f2を適用していけばよい。
[tex: \displaystyle ( \csc x )^{\prime} = (\frac{ 1 }{\sin x} )^{\prime} = -\frac{\cos x}{\sin^{2} x } ]
[tex: \displaystyle ( \sec x )^{\prime} = (\frac{ 1 }{\cos x} )^{\prime} = \frac{\sin x}{\cos^{2} x } ]
[tex: \displaystyle ( \cot x )^{\prime} = (\frac{ 1 }{\tan x} )^{\prime} = (-\frac{ 1 }{\tan^{2} x} \frac{ 1 }{\cos^{2} x})= -\frac{ 1 }{\sin^{2} x} ]
3. まとめ
基本的にはsin,cos関数の微分と、合成関数や商の微分公式を覚えておけば、その他の公式は必要なときに簡単に導出できる。