前回に続きCES2021オンラインで注目されてる技術・製品に関して、今回は全体的な技術トレンドについて紹介したい。
CES2021の開催に先立って主催のCTA(Consumer Technology Association)が今年の技術トレンドを発表している。このトレンドに沿ってCESの展示構成を決定していると考えられる
まず最初に
イノベーションは不況の時にそのスピードを加速させ、景気が回復した時にその技術革新の大きなうねりを解き放たつものである" 経済学者クリストファー・フリーマンの言葉
が引用されている。現在の新型コロナの流行に伴う経済の制限がなくなったときに、新型コロナの状況に対応するために考えられた製品・技術が主流になるということを示唆している。 (現状に負けずがんばりましょう、ともとれる)
次に昨年2020年に一気に成長した分野は
E-commerce: 10年かかる配達の増加が8週間で起こった
Telemedicine: 遠隔医療の予約が15日で10倍
Streaming Video: Netflix ,Disney+の登録者5000万人増、7年かかるところが5か月で
Remote Learning: 2週間で2億5千万人が利用
いずれも日本でも起きていることで、E-commerceはアマゾンの利用増だけでなくUber Eatsなど宅配をよく見かけるようになった。Streaming VideoはNetflixやAmazon Prime VideoのようなStreamingサービスの利用だけでなく、(実際に開けないので)コンサートの有料配信も一気に増えた。Telemidicineは初診からでも遠隔診療が解禁になったことで、恐らく実数は少ない物の増加率は多いと思われる。Remote Learningは特に大学で進み、昨年の春先はすべてONLINE講義というところも多かった。
それらの分野の成長を支える技術トレンドとして
Digital Health
Digital Transformation (DX)
Robotics & Drones
Vehicle Technology
5G Connectivity
Smart Cities
以下私見を交えて思うところをコメント。
他にも非接触(Non-contact):非接触で体温を測る・非接触でボタンを操作する、もあってもよいと思う。(やっていること自体はサーモグラフィや光センサで昔からある)
Digital Health:心拍のみを測るフィットネスバンドから血糖値、血圧まで測れるものへの進化。心電図を読み取れるApple Watchが米国で販売されている。コロナ禍ではパルスオキシメーター(血中酸素濃度)を貸し出すということもあるので、血中酸素濃度が測定できるウェアラブルデバイスが今後でてきてもおかしくない。
Robotics & Drones: 配達・配膳に期待するところでまだまだ時間はかかりそう。一方で清掃についてはルンバのような家庭用は普及しつつあるが、今後これに除菌が加わるかどうか。
Digital Transformation: 日本では進んでいないといわれているが、少なくともオンライン会議、講演に関しては一気に進んだと思う。いままで、わざわざ時間をかけて移動に使っていた時間が省略できるので、オンライン会議のムーブメントは生産性向上に役立っている。
5G Connectivity: 携帯電話の利用ははじまっているが、今回の5Gは産業利用(IoT, 遠隔操作など)を目玉にしていていろいろな提案があるが、ご利益がでるかどうかはこれからの状況。
Smart CIties: 日本ではトヨタが参画しているが、まだ具体的なところまで進んでいない。ただ、携帯の位置情報から人流を収集していて、今は減った・増えたということがわかるだけだが、これに基づいて何かを決める(公共交通機関の運行計画、電力供給など)とスマートシティになるのではないかと思う。
Vehicle Technology: 自動運転で堅実に進捗している